認定薬剤師よりもキャリアアップへ。専門薬剤師の役割や必要性について。

最近では、医療における薬剤師の役割が変化しており、薬物治療の質の向上や新しい作用機序をもつ医薬品が多数発売され、医薬品を安全に使用する上で薬剤師は、重要な役割となっております。薬剤師のキャリアアップを目指す方に、専門薬剤師の役割や必要性について伝えられたら幸いです。

この記事では、下記の読者に情報発信できたら幸いです。

・認定薬剤師の取得を目指しているけど、その先にある専門性を高めた資格の概要を知りたい。
・日進月歩するがん領域の薬物治療に貢献したいので、専門薬剤師の取得方法が知りたい。
・専門薬剤師の年収や業務内容など、メリットが知りたい。

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目次 認定薬剤師よりもキャリアアップへ。専門薬剤師の役割や必要性について。

1.専門薬剤師の役割や必要性とは

2.専門薬剤師の制度とは

3.専門薬剤師の種類と取得方法

薬物療法専門薬剤師

がん専門薬剤師

感染制御専門薬剤師

地域薬学ケア専門薬剤師

感染制御専門薬剤師

精神科専門薬剤師

4.専門薬剤師を取得するメリットとは。

お役立ちコンテンツとは、薬剤師による「薬剤師のため」の仕事に関する有益な情報を発信する記事になります。
アドセンスやアフィリエイト(広告利益取得)等による広告収入を得るの目的は一切なく、薬剤師の仕事の悩みを解決できるようなコンテンツを目指します。

1.専門薬剤師の役割や必要性とは

近年医療の発展の中で、薬剤師業務の変化も大きく、対物業務から対人業務中心の仕事へと変化し、これからの医療の中での薬剤師の存在意義というものが見直されつつあります。
その中でも専門薬剤師の存在は今後の医療発展の中でも重要な位置を占めます。
薬剤師の業務が対物業務から対人業務に変化する中で、各分野での専門家として活躍する専門薬剤師は今後とも選ばれる薬剤師となるでしょう。

2.専門薬剤師の制度とは

専門薬剤師の制度とは、各種認定機関によって一定の基準を満たした薬剤師に対して各分野での専門性を認めた制度です。
一部の専門薬剤師の資格は、その専門薬剤師の存在を広告として外部に告知することができます。医師や患者のみならず、病院、薬局を取り巻く様々なステークホルダーに対し所属する医療機関の専門性を周知することが可能です。
今後の薬剤師業界の躍進を担う一員として、何かの分野に特化した専門的な知識が必須となるでしょう。

3.専門薬剤師の種類と取得方法

薬物療法専門薬剤師
-どんな資格?
“本制度は、幅広い領域の薬物療法において、高い水準の知識、技術及び臨床能力を駆使して、他の医療従事者と協働して薬物療法を実践することにより、患者に最大限の利益をもたらすことができる信頼される薬剤師を養成し、国民の保健・医療・福祉に貢献することを目的としています。”
(引用:日本医療薬学会「薬物療法専門薬剤師制度」制度概要https://www.jsphcs.jp/nintei/3-1.html
薬物療法専門薬剤師とは、薬物療法全般に精通した薬全般のスペシャリストとして活躍することができます。薬物療法全般に特化した専門性は、他の医療従事者からも大きな信頼を得ることができます。チーム医療における薬物療法専門薬剤師の存在は、患者にとってのより有益な薬物治療に欠かすことのできない存在となるでしょう。

-取得方法
認定団体:日本医療薬学会
試験あり、実務経験5年以上、学会員歴5年以上、他の指定する認定を受けている、薬物療法に関する5年以上の研修歴、指定する講義を5年で50単位以上受講、集中講義参加、5年以内の薬学的介入を伴った領域以上の疾患における症例報告50例、学会発表を2回以上(内1回は筆頭発表者)又は筆頭著者として学術論文を1報以上
上記内容を満たすと、「薬物療法専門薬剤師」として認定を受けることができます。

がん専門薬剤師
-どんな資格?
“本制度は、高度化するがん医療の進歩に伴い、薬剤師の専門性を活かしたより良質かつ安全な医療を提供するという社会的要請の応えるため、がん薬物療法等について高度な知識・技術と臨床経験を備える薬剤師を養成し、国民の医療・健康・福祉に貢献することを目的としています。”
(引用:日本医療薬学会「がん専門薬剤師制度」制度概要https://www.jsphcs.jp/nintei/2-1.html
がん専門薬剤師とは、がん領域の薬物療法により特化した知識を身につけた薬剤師として活躍することができます。がん治療のスペシャリストとして活躍する中で、知識だけでなくがん治療で使用される放射性医薬品の混注作業の手技スキルもより信頼度が高いものとなるでしょう。
また「がん専門薬剤師」は薬剤師としては唯一医療法上広告が可能な専門性医療法上広告が可能な専門性に関する資格として認められています。広告する際は、「一般社団法人日本医療薬学会認定 がん専門薬剤師 氏名」として、病院・診療所の看板や新聞・雑誌などで広告が可能です。

-取得方法
認定団体:日本医療薬学会
試験あり、実務経験5年以上、申請時に学会員、他の指定する認定を受けている、学会のガイドラインに沿った研修施設でのがん薬物療法に関する5年以上の研修歴、指定する講義を5年で50単位以上受講、集中講義参加、5年以内のがん患者への薬学的介入を伴った3領域以上のがん種における症例報告50例、学会発表を2回以上(内1回は筆頭発表者)又は筆頭著者として学術論文を1報以上
上記内容を満たすと、「がん専門薬剤師」として認定を受けることができます。

地域薬学ケア専門薬剤師
-どんな資格?
“本制度は、地域包括ケアなどの地域医療・介護における切れ目のない薬学ケアに対応するため、幅広い領域の薬物療法における高度な知識、技能及び臨床能力を備えた信頼される薬剤師を養成し、国民の保健・医療・福祉に寄与することを目的としています。”
(引用:日本医療薬学会「地域薬学ケア専門薬剤師制度」制度概要https://www.jsphcs.jp/nintei/4-1.html
地域薬学ケア専門薬剤師とは、地域医療や介護の専門性を身につけその分野での活躍が見込めます。今後の薬局の重要な機能として、在宅対応が必須となってきます。そのため、これからの薬局業界を担う薬剤師として必須の知識となります。この分野の専門性を身につけることで、地域医療への貢献度の高いより選ばれる薬剤師となるでしょう。

-取得方法
認定団体:日本医療薬学会
試験あり、実務経験5年以上、学会員歴5年以上、他の指定する認定を受けている、地域薬学ケアに関する5年以上の研修歴、指定する講義を5年で50単位以上受講、集中講義参加、5年以内の薬学的管理を行った4領域以上の疾患における症例報告50例、学会発表を2回以上(内1回は筆頭発表者)又は筆頭著者として学術論文を1報以上
上記内容を満たすと、「地域薬学ケア専門薬剤師」として認定を受けることができます。

感染制御専門薬剤師
-どんな資格?
“感染制御専門薬剤師は、感染制御に関する高度な知識、技術、実践能力により、感染制御を通じて患者が安心・安全で適切な治療を受けるために必要な環境の提供に貢献するとともに、感染症治療に関わる薬物療法の適切かつ安全な遂行に寄与することを目的とする。”
(引用:日本病院薬剤師会「感染制御専門薬剤師部門」感染制御専門薬剤師の理念と目的https://www.jshp.or.jp/senmon/senmon2.html
感染制御専門薬剤師とは、「感染制御認定薬剤師」の認定を既に取得していることが専門薬剤師取得条件の一つとなっています。そのため、より専門的な知識と経験を持った証となる認定となります。病院内の様々な感染症の制御のために、医療従事者と連携することで院内感染を防ぐ上で大いに活躍ができます。また、消毒薬、抗菌薬の適正使用のために様々な指導を行うことも重要は役目となります。新型コロナウイルスの感染、インフルエンザウイルスの感染等、今後とも活躍の場は増える一方の注目の専門薬剤師の資格となります。
-取得方法
認定団体:日本医療薬学会
試験あり、「感染制御認定薬剤師」の資格者かつ関連制度協会の学会員、学会発表を2回以上(内1回は筆頭発表者)かつ筆頭著者として学術論文を1報以上、病院長(施設長)の推薦
上記を満たすと、「感染制御専門薬剤師」として認定を受けることができます。申請時において「感染制御認定薬剤師」の資格が必要となるため、他の専門薬剤師以上にハードルの高い、希少な存在となるでしょう。

精神科専門薬剤師
-どんな資格?
“精神科専門薬剤師は、精神科薬物療法に関する高度な知識と技術により、精神疾患患者の治療と社会復帰に貢献することを理念とし、精神疾患に対する薬物療法を安全且つ適切に行うことを目的とする。”
(引用:日本病院薬剤師会「精神科専門薬剤師部門」精神科専門薬剤師の理念と目的https://www.jshp.or.jp/senmon/senmon3.html

精神科専門薬剤師とは、感染制御専門薬剤師の認定と同様に既に「精神科薬物療法認定薬剤師」の認定を取得する必要があります。そのため、専門薬剤師としての認証を受けることができればより希少な専門家として活躍することができます。特徴としては、精神科領域の薬剤、患者の治療、社会復帰の場面でより専門性を活かすことができる認定となります。薬物治療からの社会復帰までを担う、薬物治療において良きパートナーとして患者のサポートをすることが重要となります。
-取得方法
認定団体:日本医療薬学会
試験あり、「感染制御認定薬剤師」の資格者かつ関連制度協会の学会員、学会発表を2回以上(内1回は筆頭発表者)かつ筆頭著者として学術論文を1報以上、病院長(施設長)の推薦
上記を満たすと、「精神科専門薬剤師」として認定を受けることができます。申請時において「精神科薬物療法認定薬剤師」の資格が必要となるため、他の専門薬剤師以上にハードルの高い、希少な存在となるでしょう。

4.専門薬剤師を取得するメリットとは。

・患者により良い医療を提供できる

専門的な知識、経験の豊富な薬剤師はその分野での患者に対しより具体的な服薬指導ができ、他の医療従事者に対してもより専門性の高い意見を発信することができるので、質の高い医療を提供することができます。


・他の薬剤師との差別化できる

専門的な知識を持ち、認定基準を満たせば各々の機関か専門薬剤師として認められます。そうなると、特に認定基準を満たさない薬剤師とは大きく差別化を図ることができます。また専門薬剤師の種類によっては、所属する医療機関において、専門薬剤師の所属を広告として使用することができます。専門薬剤師の認定により個人の差別化のみならず、所属する医療機関の差別化にも繋がります。


・スキルを高めることができてキャリアアップに繋がる
専門薬剤師の認定、更新には学会発表や論文発表が認定基準に含まれることがあります。専門薬剤師を取得するにあたり、薬剤師としての実務スキルの向上だけでなく日々、勉強する姿勢が身につきます。また、専門分野の講習を定期的に受講することにより最新の医療情報を入手し知識が深まります。学会発表、論文発表を通して専門分野の様々な人脈構築ができます、そこからより理想とするキャリアアップに繋がります。


・収入も上がる可能性がある
自身の専門性を高めることにより、キャリアアップに繋がれば、収入増加も可能性があります。また、専門分野の見識者として講演会の実施、専門誌執筆の依頼等も増えることで様々なチャンスが広がるでしょう。


・自分の強みが一つ増えることで、信頼されることが多くなる
専門性を突き詰めることは、薬剤師としての強みとなり強みは個性となります。薬剤師としてより具体的に医療への貢献を果たすことができるでしょう。また、一定基準をクリアし認定を受けている薬剤師として専門性への信頼はより高まるでしょう。薬物治療を取り巻く様々な医療従事者、患者、その家族等、多くの人々にとってより頼れる薬剤師としてチーム内の存在感は大きくなります。
また、専門薬剤師の各々の活躍によって医療における薬剤師の存在意義が大きくなれば、薬剤師業界全体の底上げともなるでしょう。

最後までご閲覧いただきありがとうございます。

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