一人薬剤師を任された!?調剤薬局での一人薬剤師に注意すべきこととは。

調剤薬局での転職の際などによく耳にする『一人薬剤師』として勤務する場合、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。 

この記事では、下記の読者に情報発信できたら幸いです。

・一人薬剤師を任されたけど、注意することを知りたい。
・一人薬剤師の休み時間の取り方や年収などを知りたい。
・若手薬剤師だけど、いきなり一人薬剤師を任されて困っている。


一人薬剤師として働くことに不安を抱いている人は、この記事をぜひ参考にしてください。

一人薬剤師を任された!?調剤薬局で一人薬剤師に注意すべきこととは。

目次

1.一人薬剤師とは。

2.調剤薬局での一人薬剤師の悩みや不安

3.一人薬剤師のメリットとは

4.一人薬剤師が調剤過誤を起こさないための対策とは

お役立ちコンテンツとは、薬剤師による「薬剤師のため」の仕事に関する有益な情報を発信する記事になります。
アドセンスやアフィリエイト(広告利益取得)等による広告収入を得るの目的は一切なく、薬剤師の仕事の悩みを解決できるようなコンテンツを目指します。

1.一人薬剤師とは

一人薬剤師というのはどういうことを指すのかについてご紹介いたします。
一人薬剤師とは、通常、薬剤師が複数名で分担すべき業務を、全て一人でこなす薬剤師を指します。具体的には、以下の業務を1人で行います。

・調剤:病院で発行された処方箋を元に薬を調剤する。
・監査:処方箋に基づいて調剤された医薬品の分量や種類、処方内容が間違っていないか確認する。
・服薬指導:患者さんに薬について説明する。また、患者さんから悩みを聞き出し、改善できるようなアドバイスなどを行う。
・薬歴管理:処方箋状況や患者さんから得た情報を記入、管理する。

とはいえ職場によって、一人薬剤師の特徴はさまざまです。
調剤薬局では近隣の医療機関の規模や数、診療科目、処方箋の枚数などによって、業務量や忙しさが大きく左右されます。 ドラッグストアの場合、OTC医薬品の販売をしながら調剤業務も一人でこなす状況が多いでしょう。
また、派遣薬剤師であってもヘルプ要員として一人薬剤師で働く場合もあります。
薬剤師一人体制で薬局を営業すること自体は違法ではありません。しかし、業務量が多い場合は「勤務時間内に業務が終わらない」「休憩が取れない」などの困難が生じます。労働時間が8時間を超える場合は必ず60分の休憩を取ることが労働基準法によって定められているため、休憩する暇がないほど業務が多い場合は改善が必要です。

・薬剤師一人で対応出来る処方箋枚数
薬剤師の処方せん処理枚数の上限は、下記のの厚生労働省令によって規定されています。
薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令
(薬局の業務を行う体制)
二  当該薬局において、調剤に従事する薬剤師の員数が当該薬局における一日平均取扱処方箋数(前年における総取扱処方箋数(前年において取り扱つた眼科、耳鼻咽喉科及び歯科の処方箋の数にそれぞれ三分の二を乗じた数とその他の診療科の処方箋の数との合計数をいう。)を前年において業務を行つた日数で除して得た数とする。ただし、前年において業務を行つた期間がないか、又は三箇月未満である場合においては、推定によるものとする。)を四十で除して得た数(その数が一に満たないときは一とし、その数に一に満たない端数が生じたときは、その端数は一とする。)以上であること。
①一日平均取扱処方せん数を算出しましょう。
②総取扱処方せん数(前年) ÷ 営業日数(前年) = 一日平均取扱処方せん数 です。ただし、眼科、耳鼻咽喉科、歯科の処方せんは2/3枚としてカウントします。
③一日平均取扱処方せん数 ÷ 40 = 必要薬剤師数(小数点以下切り上げ) です。
つまり一人あたりの1日平均取扱処方せん数は40枚となります。

・一人薬剤師で在宅患者を担当する場合どうするのか
結論として、一人薬剤師の薬局が在宅患者訪問薬剤管理指導を行う際は、不在の間閉局せざるを得ないのが現状です。
系列店舗が付近にある場合は別な薬剤師が他店舗からヘルプとして来ることもあります。。
また、在宅患者訪問薬剤管理指導を専任とする一人薬剤師の方もいます。

2.調剤薬局での一人薬剤師の悩みや不安

次に、実際に一人薬剤師として働いている方はどのような悩みを抱えているのかご紹介いたします。


休憩時間を取ることができない
薬剤師が自分しかいないので、患者さんが来ると調剤だけでなくOTCなども含め対応せざるを得ず、昼休憩を取ることができないことも多いようです。
忙しくてトイレに行けず、我慢しすぎで膀胱炎になってしまった薬剤師の方もいるようです。


・忙しくて辞めたい
「業務を全て一人で行うのは大変」という話は多くの薬剤師の方から伺います。
特に取り扱う薬の種類が多い薬局では、特に仕事量が多くて辛いという声があげられます。


・休みを取ることが難しい
特に女性薬剤師の方は体調が優れない時でも、なかなか休みを言い出せず、休みたいと伝えても断られるケースもあります。
また、子育て世代の薬剤師の方も自分だけでなく子供の体調不良において、休みを伝えられないケースもあるようです。


・調剤過誤やその他ミスが怖い
薬剤師の仕事はミスが患者さんの命に直結してしまいます。
一人薬剤師の場合、鑑査によるダブルチェックができないため、患者さんに薬を渡した上でも「今日渡した薬は間違っていなかったかな…」と不安になり、家に帰っても思い出すほど悩む方もいます。

3.一人薬剤師のメリットとは

これまで一人薬剤師として働く上での悩みや不安をお伝えしましたが、一人薬剤師として働くメリットは以下の点が挙げられます。

・人間関係でトラブルがない
・給料が良い傾向がある
・患者さんとの距離が近い
・調剤薬局全体の仕事がわかるため、スキルアップにつながる

中には苦にせず一人薬剤師として働く方もいらっしゃいます。
「来る患者さんは顔馴染みばかり。処方される薬も同じものがほとんどなので、それぞれに合わせ服薬指導をしています。話し好きのおじいちゃんおばあちゃんとは世間話ばかりしています。
昼休みは、調剤室の中でSNSを見ながらランチ。門前の診療が終われば患者さんも途切れるので残業もなく帰れています。面倒な人間関係もなく、本当に楽な職場です。給料も一人薬剤師というだけあって通常以上にもらえているので満足しています。」
このような方にとっては一人薬剤師として働くのはデメリットを感じるよりも多くのメリットを享受できますね。

4.一人薬剤師が調剤過誤を起こさないための対策とは

最後に、薬剤師が一人で全ての業務をミスなく行うためには工夫やシステムの構築が重要となってきます。
具体的にはまずハンディツールなど機械を用いて調剤、鑑査を行う対策があります。
機械を用いたシステムの構築には時間とお金がかかりますが、一人薬剤師にとっての強い味方になると考えられます。
また、機械を用いない対策として以下の方法が挙げられます。

・指差し確認や声出し確認を怠らない
・服薬指導時、患者さんに薬を見せながら指導する
・似た名称の薬は目印をつける
・調剤台の整理整頓を心がける
・一人であっても調剤と鑑査をする場所や環境をしっかり別ける

よく耳にする対策かもしれませんが、特に最後の「調剤と鑑査の環境を別ける」ことは2回新鮮な感覚でその処方に携わっていることになるので調剤過誤の対策として有効であると考えられます。
また、薬剤師が一人であっても調剤補助員などの人員の確保によってダブルチェックや、業務の負担軽減をしてミスを減らしている薬局もあるようです。

いかがでしたでしょうか。
一人薬剤師は大変である分給与条件が非常に良いことが多いため、経験が豊富な方や給与を大事にされたい方におすすめです。
また、一人薬剤師の薬局へご転職をお考えの際には、人員体制や労働環境、勤務条件をしっかりと確認しておくことが大切です。

最後までご閲覧いただきありがとうございます。

▼非公開案件やお役立ち情報を発信している公式LINEご登録お願いします▼

友だち追加

この記事は薬剤師監修で制作されております。


Twitter→https://twitter.com/free_yaku

公式LINE→https://lin.ee/efvcXAn