【スキルUP解説】現場から必要とされるのはどんな薬剤師?

薬剤師の業務も、専門領域別で細分化される中、現場から必要とされる薬剤師はどんな人物像だろうか。今後の差別化を行うために、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。時代は、対物業務から対人業務に、過渡期を向かえています。少しでもスキルUPに繋がれば幸いです。

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この記事では、下記の読者に情報発信できたら幸いです。


・認定、専門資格を取る上で、ニーズのある薬剤師像を知りたい。
・薬剤師が過剰になる予測もあるけど、他の薬剤師と差別化をしたい。
・新人だけど、薬局業務より視野を広げて働きたい。

目次 【スキルUP解説】現場から必要とされるのはどんな薬剤師なのか?

1,対物業務が重視された薬剤師業務とは
2,薬剤師として求められる基本的な資質とは
3,現場から必要とされるのはどんな薬剤師か?
4,最後に。

1,対物業務が重視された薬剤師業務とは

薬剤師業務として、対物業務は様々です。
これまでは処方箋受付、患者情報確認、処方箋監査、疑義照会、調剤(薬剤ピッキング、一包化、軟膏混合、水剤調整、薬剤粉砕、粉調剤など)、薬剤監査、服薬指導、薬歴記入等、機械的な作業が薬剤師の仕事としてフォーカスされていました。
これらの業務をいかに素早く対応し、待たせることなく素早く薬剤を患者さんに提供するかが求められていました。
これからの時代、対物業務において様々な部分で機械化が進んでいます。
そんな時代の中、求められる薬剤師像を考える必要があり、避けて通れない道となっています。

2,薬剤師として求められる基本的な資質とは

薬剤師としての心構え
薬剤師の心構えとして、命を扱う責任があることを自覚する必要性があります。いくら、薬の専門家といっても、実際に対峙するのは、一人一人の患者さんです。


患者・生活者本位の視点
患者さんの背景を踏まえ、現在の薬剤治療の状況を加味し、次の来局までに必要な指導は何かを考え指導をすることが重要です。


コミュニケーション能力
患者さんの薬剤治療をより良い形で実現するためには、薬局でのコミュニケーションが必須です。患者さんが心を開いて、治療に臨む姿勢が何よりも大切です。そこに至るまでを上手くサポートするのが薬剤師の役目です。

チーム医療への参画
患者さんのケアを進める上で、チームの一員として病状、健康状態を把握し、薬剤的な知識を治療の参画に加えることが重要です。


基礎的な科学力
基礎的な科学力を持つことは、薬剤の服薬指導を行う上で実はかなり重要です。
薬剤師の専門性が発揮される場となります。
実際に、患者さんが授乳中の場合には、脂溶性の薬剤は乳汁に溶け出す可能性が高まってしまうので、基礎的な科学力を持っていれば、薬剤添付文書の構造式から脂溶性の薬剤か、水溶性の薬剤かを判断ができます。
上記の様な例をとっても、患者さんとの会話中で、何か質問された時も科学的な根拠を持って指導することができます。根拠を持ってわかりやすく解説できる薬剤師は、患者さんに適正な服薬説明ができるため、アドヒアランスの向上にも寄与します。


薬物療法における実践的能力
薬局で勤務する薬剤師であっても、近隣医療機関の医師、病院薬剤師ともコミュケーションをとる中で、薬物療法の実践的な能力が高ければ、様々なステークホルダーから信頼感を持って接してもらえます。
患者さんだけでなく、患者さんに関わる様々な医療従事者とのコミュニケーションによって、巡り巡って患者さんの薬物療法に最善の策を見出せると感じます。


地域の保健・医療における実践的能力
現在は、地域の健康ステーションとなる薬局が増えてきています。地域の頼れる相談窓口となる地域に根付いた医療機関の存在は、地域医療を支える上で大きな要となります。


研究能力
自分たちが日頃接する薬剤情報を更新し、薬物治療のトレンドを意識することで、患者さんとの薬剤管理はより良いものになっていきます。
薬剤知識をアップデートするとともに、患者さんに必要な情報提供をすることができます。


自己研鑚
自分の知識はどの適度か、どの分野に興味があるのか、どの分野に見識が深いのかを正しく理解、分析することから自己研鑽は始まります。
薬剤的な知識だけでなく、ビジネスの知識、コミュニケーション能力、世の中のトレンドを見る力、人間の行動原理を知ることで自分の置かれている環境、患者さんの生活の環境、近隣医療機関との関係性により具体的なアプローチをすることができます。

教育能力
薬剤師として、患者さんを薬局全体で支えていくとなると、薬局全体の士気を上げていく必要があります。
より明確な目的を共有する中で、教育としてコミュニケーション能力の高い後輩を育てていくことも薬剤師として必要なスキルとなります。

3,現場から必要とされるのはどんな薬剤師か?

現場から必要とされる薬剤師は、専門的な知識、適切なコミニュケーション力、マネジメント能力などのスキルを有する方が評価される傾向にあります。

1,専門的な知識・スキル(かかりつけ薬剤師経験、在宅医療経験、専門・認定資格薬剤師資格の取得)
2,コミュニケーション能力
3,マネジメント能力(管理薬剤師になる、エリアマネジャーになる、新店立ち上げ経験)

薬剤師に求められる基本的な資質を踏まえ、現場から必要とされるこれからの薬剤師像を「対物業務」から「対人業務」への過渡期の中で、患者、薬局、近隣医療機関の3つの視点から話します。


患者視点
患者さんにとってより良い薬剤師とは、「自分の健康、服用薬剤に関し真摯に向き合い、適切なアドバイスをくれる薬剤師」です。
真摯に向き合うとは、患者さんの置かれた状況や処方内容、過去の薬歴から、「今」必要とする指導内容を判断することです。
具体例として、ちょっとした風邪症状で病院を受診したと言う患者さんの服薬指導時に、実は普段から不眠症の改善のため服用していた「ベルソムラ」に関して、今回受診したクリニックでは話をしていないことが判明。
抗生剤「クラリスロマイシン」が処方に出ていた時には、薬剤の相互作用に関してわかりやすく患者さんに説明し、疑義照会の必要性があることを判断し実施しなければなりません。

上記の様な適正な判断を通じて患者さんと真摯に向き合うことで、「今」必要な指導を実施することができます。
そう考えると、コミュニケーション能力の重要性が明確になります。
患者さんとの適正な信頼関係を構築することで、かかりつけ薬剤師として選ばれる薬剤師になれます。その様な関係性を築く中で、もしも患者さんに在宅での服薬指導が必要となった時に、選ばれる薬局、薬剤師となります。
また、患者さんにとっては、自分が服用する薬剤により詳しい薬剤師に話を聞きたいと思うはずです。その点から考えると、自分の興味ある分野の専門性を高め、専門・認定薬剤師として知識を深めることで、より最適な薬剤指導が実施できます。
以上を踏まえると、患者さんにとっては、信頼関係を築ける薬剤師が何より重要です。より自分の健康・服用中の薬剤に関して真摯に向き合ってくれる薬剤師に対して、信頼感を持って自身の状況を打ち明けてくれます。
信頼関係があってこそ「対人業務」で求められる、薬剤師となるのではないでしょうか。そうして、かかりつけ薬剤師として、在宅対応経験や認定薬剤師の知識がより良い形で患者さんに還元されるのです。


薬局視点
薬局、また自分が所属している組織において必要とされる薬剤師とは、「患者さんから選ばれ、薬局・組織の全体最適を考え動ける薬剤師」です。
より良い形で医療環境を提供、維持するには薬局としての経営を考える必要があります。患者さんから継続して選ばれる薬局づくりが最重要となります。
選ばれる薬局づくりには、患者さんのことだけでなく、薬局全体の全体最適を考える必要性があります。全体最適を考えるには、それぞれの立場によって役割が違います。
一薬剤師としての立場であれば、その時々の仕事を精一杯行い、患者さんにとってより良い信頼関係を築ける施策を考えることが重要です。その中で、一緒に働く薬剤師に対し様々な配慮をすることができる薬剤師は、必ず薬局や組織から必要とされる薬剤師となります。
患者さんの処方箋の受付から薬剤をお渡しする服薬指導までの間のボトルネックとなっている部分を見つけ出すことができ、その部分の改善策をその薬局の管理薬剤師、薬局長、エリアマネージャーに具体的に話すことができる薬剤師は、薬局・組織の全体最適がわかる上、患者さんにも選ばれる薬剤師として現場に欠くことのできない薬剤師となるでしょう。
管理薬剤師として、必要とされる薬剤師は、「現場の環境を適正に理解し、エリアマネージャーやその薬局を管理する者に対して適切な薬局環境分析を伝えられる薬剤師」です。
ここでは、管理薬剤師と薬局長を同義で話を進めます。
薬局全体を管理する者として、やはりビジネスとして薬局の運営を考える必要性があります。より成長性を持って薬局を発展させることは、ひいては患者さんにとってより良い医療環境の提供につながります。
ビジネスとして薬局運営を捉えた時に重要となるのは、「ヒト・モノ・カネの経営資源をいかに有効活用するか」ということです。
経営資源を有効活用し、売上、利益の最大化を図っていきます。
「ヒト」の有効活用として、所属薬剤師と適正なコミュニケーションを取ることで薬剤師自身がもつ個性を理解し無理のない人員配置が実施できます。
「モノ」の観点では、薬局内の設備を考えることが求められます。薬局内の様々な機材が適正に機能しているか、配置には問題はないか、薬局内の動線を考えた時に無駄のない配置になっているかを判断します。
薬局の立地によっては、よく処方される薬剤に偏りが生じます。その際に、特急棚を作成し、よく出る薬剤は取りやすい場所に配置する等様々な工夫を実施することでより適正な薬局運営ができます。
また、患者さんの待合室の椅子や雑誌の整備等、待ち時間を少しでも快適に過ごしてもらうための施策を考える必要があります。
「カネ」の視点として、在庫管理が特に重要な視点となります。薬剤在庫は、薬局の資産であり、売上を左右する資材となります。
処方箋を持ってきてくれたにも関わらず、薬剤の在庫がなく患者さんが別の薬局に行ってしまった場合は、多大な機会損失となります。それは、その処方箋の売上がなくなっただけでなく、患者さんからの信用がなくなってしまうことにつながりかねない点にあります。
また、在庫の適正な管理は、コストカットの点からも非常に重要となります。
薬剤のロスをなくし、適正な流通の中で薬剤を管理することで適正な薬局運営を実施することができます。
上記の点が管理薬剤師、薬局長として薬局に求められる薬剤師とされるでしょう。
ここまでの内容を踏まえ、エリアマネージャーとして求められる薬剤師は、エリアの店舗ごとの個性を把握し、全体最適を考える必要があります。
マネジメント能力の強化により、働く薬剤師の個性を最大限に引き上げることができます。その様な能力があれば、「ヒト」の強化により、組織全体を選ばれる組織に変革することができます。
薬剤師に求められる資質の中で培った、全体を俯瞰する力が強化されていればより多角的な視点からエリア全体を見ることができるでしょう。


近隣医療機関視点
最後に近隣医療機関からの視点で、求められる薬剤師に関して話をします。
やはり、薬局で働く薬剤師に求められることとして、「3方善し」を考えることが重要となります。そのうちの一つが近隣医療機関との関係性となります。
医療機関からも選ばれる薬局として認知されないことには、薬剤師として患者さんとの接点を持つことは中々難しいです。
今なお薬局の認知に関しては、新店薬局の場合、8〜9割は近隣医療機関からの紹介で認知されます。
そのため、近隣医療機関との連携は、薬局の生命線とも言えます。
薬学的知識に精通し、適正なコミュニケーションを取れる薬剤師がいる薬局であれば、医療機関も安心して患者さんを紹介できます。
薬局での患者さんからの聞き取り内容のフィードバック、適正な疑義紹介等、信頼される薬剤師として何を身につけなければならないかを判断し、医療機関との連携を取ることが重要です。

4,最後に

選ばれる薬剤師として、自分はどんな薬剤師を目指したいかを明確にし、その目標に対して、今の自分は何がかけているかを判断し、信頼される、人と人を医療でつなぐ薬剤師になることが、今後も求められる薬剤師像なのでしょうか。

最後までご閲覧いただきありがとうございます。

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この記事は薬剤師監修で制作されております。


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