前回の「薬剤師にオススメの副業12選」に多くの反響がありました。特に薬剤師の別業種への取り組みや調剤報酬の先行き不安など、多数の質問を頂きました。管理薬剤師でも副業に興味を持っている方が多く、コンテンツとして配信することを決意しました。もちろん、本業である薬剤師業を疎かにすることなく、副業に取り組んでいくことが重要です。
この記事では、下記の読者に情報発信できたら幸いです。
・管理薬剤師を目指しているけど、必要なことってあるのか。
・実際に管理職として働いているけど、取り組みやすい副業を知りたい。
・管理手当ってどれくらいが相場なのか知りたい。
・ブログを運営している管理薬剤師の体験談を聞きたい。
目次
◆管理薬剤師とは
◆管理薬剤師になるための条件や要件は。
-管理職になるためには薬剤師が何年目が妥当か。
◆管理薬剤師の仕事内容は何があるのか。
-仕事は大変なのか。
◆管理薬剤師の年収や手当の相場はどれくらいなのか。
◆管理薬剤師が取り組みやすい副業とは。
◆インタビュー記事
お役立ちコンテンツとは、薬剤師による「薬剤師のため」の仕事に関する有益な情報を発信する記事になります。
アドセンスやアフィリエイト(広告利益取得)等による広告収入を得るの目的は一切なく、薬剤師の仕事の悩みを解決できるようなコンテンツを目指します。
◆管理薬剤師とは
管理薬剤師とは、その名のとおり、薬剤師の内、医薬品医療機器等法に基づき、薬局や店舗、製造業では拠点毎に設置が義務付けられている責任者です。
管理薬剤師は、店舗等を管理監督し、薬事に関する兼任は禁じられています。医薬品の管理や従業員の監督など薬局業務内の責任者で、保健所等の対応も業務の一環になります。
◆管理薬剤師になるための条件や要件は。
2021.09.12現在、管理薬剤師になるための条件はありません。法律的に薬剤師であれば、管理薬剤師になることは可能です。ただし、薬局を適切に管理するため、保健所の薬剤師登録で、常勤で週32時間勤務できる方が要件です。
・薬剤師でなければならないことと ・薬局ごとに一人いなければならない ・保険薬剤師登録は「常勤」でなければならない
簡単に言ってしまえば、この3点が管理薬剤師の条件になります。
その他にも、一般的に管理職の役割やマネジメントスキルは、
①経営層と薬局(店舗)を繋ぎ、経営方針を浸透させる。 ②薬局内の仕事内容の管理、労働時間の割り振りや指導。 ③トラブルや課題解決、従業員のモチベーション向上、人間関係の管理。 ④患者や取引先との関係構築、責任を負う立場である。
マネジメントとは、薬局経営手段の1つとして資源や資産、リスク管理などをおこないます。そうすることで経営目的を維持し、発展させていきます。薬局に関わるヒト、モノを総合的に管理するために必要なスキルになります。
–管理職になるためには薬剤師が何年目が妥当か。
薬剤師であれば、管理薬剤師になることができます。一般的に調剤業務を不自由なく遂行できる薬剤師実務経験が3年以上ある方を選ぶ傾向にあります。また管理薬剤師は、薬局で1人だけなので、スポットがないといくら経験があってもなることはできません。
最近の厚生労働省の法令順守ガイドラインでは、薬局における実務経験が少なくとも5年以上ある認定薬剤師を要件にするよう推奨されています。管理薬剤師になるためには、今後の改定に注意する必要があります。
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◆管理薬剤師の仕事内容は何があるのか。
管理薬剤師の仕事は「従業員の監督」と「医薬品等の管理」があります。
主な管理薬剤師の仕事内容は以下の通りです。
従業員の監督
(1) 管理薬剤師以外の薬剤師、薬剤師以外の従業員が、適切に業務を行っているかどうか(例;接客、法令遵守、情報提供の適否)の監督
(2) 薬学の専門的な知識が必要な事例等、従業員等ができない場合への対応
医薬品等の管理
(1) 店舗内の医薬品、その他の物品等(医薬部外品、化粧品等)を適正に管理
(2) 医薬品と他の物品等(医薬部外品、化粧品等)を区別して貯蔵、陳列
(3) 医薬品等が不良品とならないように、遮光、冷所等、適正な保管
(4) 設備の不備等、問題があった場合、開設者に改善するよう意見具申
(5) 不良品、不正表示品(例;有効期限切れ、表示不備品等)を発見し、処分
責任を伴う仕事が増えます。やりがいを感じて日々取り組む姿勢が必要になることでしょう。管理薬剤師の存在が薬局の適切な運営に大切であるというのが仕事内容からわかりますね。
–仕事は大変なのか。
管理職の声として下記を聴取しました。
・業務量が増加し、責任が増えた。
・成果に対するプレッシャーが強まってくる。
・業務の偏りを管理。
・家庭の事情で、労働時間に制約がある従業員のフォローしなければならない。
・従業員のモチベーションの向上の責務。
管理薬剤師としての業務が増えるだけでなく、従業員のモチベーションやフォローまで関わってきます。責任も増えて、精神的な負荷はかかっているという声を多く聞きます。
◆実際の管理薬剤師の年収や手当の相場はどれくらいなのか。
管理薬剤師は、仕事内容が多く、責任が重いため管理職手当が月2~5万円くらい上乗せされます。
もちろん、薬剤師の偏在状況によって給料が変わってくる思いますが、管理薬剤師の年収は500~700万円の間になることが多いというデータがあります。
薬剤師の年収は頭打ちになりやすいので、管理薬剤師としてステップアップすることが年収を増やす近道かもしれません。また、管理薬剤師の経験があるとキャリアとして認められやすいです。
【関連】厚生労働省 賃金構造基本統計調査【詳細はこちら】
◆管理薬剤師が取り組みやすい副業とは。
薬事に関わる兼業は禁止なので、薬剤師業とは別で検討する必要があります。
「薬局の管理者(第一項の規定により薬局を実地に管理する薬局開設者を含む。次条第一項において同じ。)は、その薬局以外の場所で業として薬局の管理その他薬事に関する実務に従事する者であってはならない。ただし、その薬局の所在地の都道府県知事の許可を受けたときは、この限りでない。」
下記は【薬剤師にオススメの副業12選 毎月5万円だけ収入を上げる方法】の記事の一部抜粋です。【詳細はこちら】
薬事に関わる副業
①夜間休日診療所、ワクチン調整(薬剤師会アルバイト)
薬事に関わらない副業
②メディカルライター
③翻訳
④イラストレーター
⑤ブログ・サイト運営
薬事に関わらない副業では、主に在宅ワークになっていますので、管理薬剤師でも無理なく副業することができます。
では、実際に【管理薬剤師×ブログ】で情報発信をしているMr.Tさんにインタビューさせていただきました!
◆インタビュー記事
Mr.Tさん
某ドラッグストアの管理薬剤師、第100回勢。30代、ニ児の父。認定薬剤師、地域支援体制加算取得。VBA独学。株式投資。月の処方箋枚数1200枚程度。9店舗経験。
Twitter:https://twitter.com/Mr_T0303p
ブログ「薬ドラ」
某ドラッグストアの管理薬剤師、Mr.Tが主に薬やドラッグストアの仕事術などを執筆しているブログです。
ブログ:https://www.mr-t-drg-pharmacist.online/
①管理薬剤師のやりがいを教えてください。
管理薬剤師以前に、薬剤師としてのやりがいは患者さんの役に立てたとき、医療や地域に貢献できた時にやりがいを感じます。
これは管理薬剤師になっても同様です。
管理薬剤師という観点からすると、「管理」をして成果をあげたときにやりがいを感じます。
例えば、数字関係、教育、業務改善などです。
管理薬剤師はある程度、薬局内のやり方を変えられる権限があります。
自分が思いついたアイデアをすぐに取り入れることができ、結果薬局としていい方向に向かった時や成果を感じた時、とても嬉しく感じます。
数字関係であれば処方箋枚数、GE率、売り上げなどの数値。
教育関係であれば新人・中途育成をして仕事ができるようになった、あるいは管理薬剤師ができるまで育てることができた。
業務改善はExcelやVBAを使い、仕事の効率化や時間短縮に取り組んでいます。
以上の事柄で結果的にスタッフが喜んでくれた時は管理薬剤師をやっていてよかったと思います。
②どういった方が管理薬剤師に向いているのでしょうか?
店舗によって状況が違ってくるので分けて話します。
一人薬剤師の管理薬剤師
・人間関係にとらわれず、一人で調剤するのが好きな人
・すべて自分の思い通りにしたい人
複数薬剤師の管理薬剤師
・周りをしっかりと見ることができる、考えることができる人
・気を遣える人
・自分の意見を言える人
管理薬剤師の向き、不向きで共通しているところはマネジメントが得意かどうかだと思います。
数字を理解できなければ薬局の改善にはつながりません。
正直、ドラッグストアでは数字がわからなくても管理薬剤師はできます。
自分もなりたての頃は数字に関してはさっぱりでした。
しかし、よりよい薬局にしていくには数字は避けて通れませんし、自分のスキルアップにはつながりません。
自分や薬局を改善してこうという意欲がある人が向いていると思います。
また、コミュニケーションスキルも重要です。
管理薬剤師に限ったことではないのですが、管理薬剤師は特に必要だと思います。
患者さんはもちろん、薬局内のスタッフ、店長などの店舗のスタッフ、マネージャーや会社外の人ともかかわらなければなりません。
管理薬剤師は薬局の顔でもあるので、コミュニケーションがうまく取れない人は向いていないと思います。
コメント:素晴らしいキャリアをお持ちで感銘を受けます。人の上に立つ存在として、マネジメントスキルも必要であることがわかります。
③ブログ「薬ドラ」の設立経緯とは? エピソードがあれば教えてください。
・自分自身の勉強
・副業的な収入源
主な理由は上記の二つです。
業務でわからないことがあり調べて勉強しますが、インプットだけでは知識が定着しません。
自分でまとめるということが知識の定着に繋がるのですが、ノートとかでまとめるのは苦手だったので、ブログで発信すれば誰かの役に立つかもしれないし、自分にもメリットがあると思いブログを始めてみることにしました。
副業的な収入源としてもいずれはと考えているのですが、まだまだ弱小ブログでPVもそこまで伸びていないので、ある程度のPV数になったら本格的に取り組んでいこうと思っています。
コメント:管理薬剤師をやりつつ、「薬ドラ」を運営されています。薬剤師の医薬品に対するお悩みや薬局ドラックストアなどでの働き方も非常に参考になります。自分自身の勉強で、薬剤師のお悩みを解決し、副業的な収入も得ることができる。ブログ運営の醍醐味ではないでしょうか。
④アドセンス合格まで、苦労したエピソードはありますか?
アドセンス合格に関しては特に苦労した記憶はありません。
ブログを立ち上げて1カ月間で約30記事ほど書いて申し込んだら一発で受かりました。
始めたばかりだったので記事の質が低く、リライトで何件か消した記事もありますが、楽しみながら書いていたので苦にはならなかったです。
⑤管理薬剤師になりたい方に向けて伝えたいことはありますか?
「覚悟」が必要だと思います。
薬剤師になったからには一度でいいので管理薬剤師を経験してもらいたいです。
見える世界が違います。
管理薬剤師の仕事内容や大変さというのは外から見た印象と先輩から口頭で教えてもらっただけでは伝わりません。
やってみて初めて大変さや、やりがいを感じます。
一度管理薬剤師になったら自分ですべて管理できる楽しさや難しさを経験できます。
処方箋枚数や売り上げが上がっても下がってもすべて管理薬剤師の責任です。
他の人に押し付けることはできません。
なので、いいこと、悪いことをすべて受け入れられる「覚悟」が必要だと思います。
「自分はまだまだ管理薬剤師ができるレベルではない…」
という人が多いのですが、自分は新卒で入社2年目の5月から管理薬剤師をやっています。
調剤経験は1年もありません。
取り敢えず機会があったらやってみた方がいいと思います。
各薬局に管理薬剤師は一人なので、チャンスを逃すと次にいつ回ってくるかわからないので。
コメント:たしかに、管理薬剤師はやりたいときにできません。とりあえずやってみるチャレンジ精神もスキルアップに繋がります!
⑥ブログをこれから始めてたい人に伝えたいことはありますか?
自分が調べたことや他の人の役に立ちそうだなという内容をどんどん発信していってほしいなと思います。
始めたばかりだと誰も読んでもらえないので心が折れる人が多いのですが、読まれるには時間がかかると開き直って書き続けることが重要です。
続けていれば必ず読んでくれる人が現れ、確実にその人の役に立ちます。
自分のメインは薬剤師や薬、ドラッグストアの内容を発信しているのですが、他のジャンルのブログもよく見ます。
その中でも面白いブログはたくさんあり、参考にさせていただいています。
薬剤師のブログはYMYLに該当するのでなかなかPV数が伸びにくいのですが、確実に読んでくれる人もいますし、感謝されたこともあるのでジャンルに限らずどんどん発信していってほしいなと思います。
最後まで見て頂き、ありがとうございます。
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この記事は薬剤師監修で制作されております。
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