在宅医療を担うフリーランス薬剤師の意義とは。

2015年10月に発表された厚生労働省の「門前」から「かかりつけ」薬局へ。勤務されている薬剤師さんなら一度は聞いたことはあるかもしれません。調剤中心の「対物業務」から訪問看護、ケアマネージャー、栄養士と連携をとり、患者中心で在宅医療に携わるかかりつけ薬局、すなわち「対人業務」への変革です。スキルが高いフリーランス薬剤師が、在宅医療に貢献する意義について発信できたらと思います。

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この記事では、下記の読者に情報発信できたら幸いです。
・短期で働くフリーランスが在宅に関与できるのか知りたい。
・個人在宅、施設調剤など細かな決まりが薬局ごとに異なるのにフリーランスで起用することは可能なのか。
・在宅医療をしたくない方が多いので、正社員業務の負担になっている。
・在宅経験を活かして、フリーランスとして働きたい。

在宅医療を担うフリーランス薬剤師の意義とは。

目次

◆背景
◆在宅医療とは。
◆在宅薬剤師の仕事内容は。

◆在宅薬剤師のやりがいとは。
◆臨時要員のフリーランス薬剤師(個人事業主薬剤師)が在宅患者を担当できるのか。
◆在宅フリーランス薬剤師の意義とは。

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◆背景

そもそも、何故、在宅医療を厚生労働省は推進しているのでしょうか?
第一に、「国民のニーズ」があるからです。
内閣府の高齢者の健康に関する意識調査によると、最期を迎えたい場所として一番多いのが「自宅」、次いで「病院」となっております


高齢者は住み慣れた自宅で、過ごしたいニーズがあり、地域連携のとれた医療職がサポートする在宅医療は相性が良いです。

また、「医療費削減」の目的もあります。
OECDデータによると、日本では人口あたりの病床数が、世界で1位です。


病床が多いと医療費が増えるという医療経済学の概念によると、今後超高齢者社会を向かえるうえで、医療費の増加は無視できません。また医療機関における死亡割合の年次推移も増加傾向でありさらなる医療費の増加も懸念されております。

病床の受け皿としても在宅医療の推進も考えられております。それに伴い薬剤師のあり方も見直されている現状があります。

引用
https://www.oecd.org/tokyo/statistics/hospital-beds-japanese-version.htm
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/04-1a_13-30.pdf

◆在宅医療とは。


在宅医療とは、医師の指示のもと、それぞれの専門知識をもつ医療職が連携して、患者宅を訪問することで得られる専門的なサービスです。

通院が困難なとき、や退院後、自宅でも医療を受けられるメリットがあります。


医師、歯科医師、薬剤師、看護師、理学療法士、作業療法士、栄養士などの連携で、患者に医療を提供します。
患者の自宅だけでなく、高齢者住宅や老人ホームなども該当します。
高齢者医療礎となる素晴らしいサービスですが、医療職が実際に患者宅を訪問するため、運転免許証が必要になってきます。特に都心部の医療職の方は運転免許証や自家用車を持っていない場合が多いです。
「対物業務」から「対人業務」への代表格が「在宅医療」です

【関連記事】厚生労働省 在宅医療の推進について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061944.html

◆在宅薬剤師の仕事内容は。

・医師、ケアマネージャーや訪問看護、施設職員や患者のご家族との連携
・服薬指導を通じたアドヒアランスの向上
・休日を含む患者急変に伴う臨時処方の対応
・24時間電話対応
・お薬を患者宅へのお届け
・エンシュア、ラコール等、重量物のお届け。

ルーチン業務になりやすい調剤業務に比べて、多職種連携や非常時の対応まで、在宅薬剤師の業務は多彩です。患者宅に訪問して、実際にお薬を服用する場所などの確認をし、お薬カレンダー等で飲み忘れや飲み間違いを防ぐことも重要な役割です。また、在宅患者は比較的、処方薬が多くなり一包化する場合が増えますので、医師による処方変更により調剤業務の負担も増えます。また、患者の声として、エンシュアやラコール等のお届けは、「重たい荷物を持たなくて良い」と感謝されることが多いです。そして、患者の症状急変は、入退院を繰り返す場合もあるので、施設職員や入院先とのやり取りにも過誤がないようにしなければなりません。

◆在宅薬剤師のやりがいとは

認知機能低下などでコンプライアンスが悪い在宅患者の服薬指導を、ケアマネージャーや訪問看護師や在宅医師と相談し、劇的にコンプライアンスが改善され、検査値や症状などが良好になりました。

また、医師と往診する際に、処方薬はどれが良いと思うか意見を求められ、診療ガイドラインを参考にどういう薬がどのように使われているかを、医師に伝えて処方に反映されました。忙しい医師のサポートや患者さんへの健康増進に身近で関与できる魅力があります。

そして、家族の方の感謝が、普通の業務より多いです。子供さんから、感謝の手紙や手土産を貰うことも多く。正社員や個人事業主などの関わらず、在宅医療の重要性に気付かされます。

◆臨時要員のフリーランス薬剤師(個人事業主薬剤師)が在宅患者を担当できるのか。

結論から先に、在宅患者を担当することができます。


在宅医療に関わる薬剤師の要件は特段ございません。在宅患者を対応できるスキルがフリーランス薬剤師にあるかが一番の要になっています。

患者対応は勿論、多職種連携、臨時対応や薬局おける情報共有など、高いスキルが必要になってきます。
もし、在宅患者を担当することができない場合でも、薬局内業務を率先して行うことで、正社員が在宅医療に専念できる環境を作ることができます。フリーランス薬剤師が在宅を担当の有無にかかわらず、従業員の満足度向上と在宅医療による地域貢献を果たすことは間違いないです


しかし、在宅患者によっては、担当薬剤師を変えることは望ましくない場合があります。薬局の従業員が対応しなければならない場合は、従業員の負担軽減のためにフリーランス薬剤師は働くべきです。
薬局内の取り決めや連携など、営業の側面もございますから、在宅患者をどの薬剤師が担当しても一定の成果を上げられるようなマニュアルもしくはシステム、教育が必要になることでしょう。


そして、費用面として、フリーランス薬剤師は、正社員もしくはパート薬剤師に比べて、高くなる傾向でございます。勤務日数を調節することで、費用面を抑えることができます。
例えば、週1や週3で決まって、在宅関連の処方箋が来る場合、その日にちだけフリーランス薬剤師を起用して、従業員の負担を軽減することも可能かと思います。


都心部や地方部でもフリーランス薬剤師の役割が違ってきます。
比較的薬剤師の多い都心部では、在宅関与できるフリーランス案件が多い傾向にあるようです。


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◆在宅フリーランス薬剤師の意義とは。

フリーランスという性質上、臨時要員から、在宅患者を担当させるかは現場の判断によります。また、フリーランス薬剤師のスキルの面が大きく影響することもあるので、しっかりと薬剤師のスキルや在宅経験があるのかを確認する必要があります。


正社員やパート薬剤師の変わりであることを前提として、フリーランス薬剤師が在宅医療に携わることは、薬局の従業員満足度向上と地域医療の貢献できます。

フリーランス薬剤師(個人事業主薬剤師)の価値は、基本価値、期待価値、願望価値、予想外価値に分類できます。在宅に携われるフリーランスは、薬局経営者が望めば基本価値に、従業員の負担軽減を目的にするならば願望価値に該当し、薬局の強い味方になることでしょう。

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