総数45.8万人まで増加!?今後の薬剤師過剰時代どう乗り切るか、薬剤師目線で解説!!

薬剤師過剰問題は一度は聞いたことあるのではないでしょうか。2003年、薬剤師教育に力を入れて薬学部の新規開設の規制緩和を行いました。2003年時点では薬剤師は全国的に不足した状態が続いていましたが、薬学部新設の規制緩和の時事的な話題により、今後薬剤師は過剰になるという予測が当時からありました。時代の流れと共に薬剤師のあり方が見直されるのは、当然のことです。如何にして先手を打って行動できるかが、自分を守るための術になってきます。

この記事では、下記の読者に情報発信できたら幸いです。

・今後10年の薬剤師の取り巻く環境の変化を知りたい。
・薬学部入学制限など薬剤師人数を抑制する案が上がる中、本当に職域は今後守られるのか知りたい。
・薬剤師の過剰問題で、待遇の低下など不利なことは起きるのか。
・地方は人手不足で困っているので、薬剤師が余るなんて信じられない。

今後の薬剤師過剰時代どう乗り切るか、薬剤師目線で徹底解説!!

目次

◆時代の流れ
◆薬剤師過不足の要因
◆薬学部新設による入学定員の増加
◆薬剤師需要と供給の推移
◆今後の薬剤師過剰時代、打つべき策とは

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◆時代の流れ

厚生労働省は、医療法を改正して、西欧諸国並みに医薬分業を推進しました。

その目的は、薬害の防止と薬の無駄使いを避け、より良質な医療を提供することにあります。医薬分業の推移をご覧ください。(医薬品医療機器制度部会資料抜粋)

厚生労働省が医薬分業を推進するために処方箋料の段階的な引き上げを行いました。

国策により調剤薬局が1991年から徐々に増え、それに伴い薬剤師の確保も必要になってきました。
調剤薬局では薬剤師の取り合いが起こり、医薬分業による薬剤師不足問題が浮き彫りになりました

薬剤師需要増加のため、2003年、薬学部の新規開設の規制緩和となりました。


2003年あたりから、全国的には薬剤師不足が続くものの、「薬剤師は過剰になる」という予測がありました。また、同時期に薬剤師派遣も行うことができるようになりました。
2019年、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言による経済の縮小により、外来患者数の低下により、薬剤師雇用に影響を与えました

都心部では薬剤師が飽和状態、地方部では不足状態である場合が多くなっております

◆薬学部新設による入学定員の増加


規制緩和により、薬学部数が2003年から増加。それに伴い学生数も8300人から13000人の約1.4倍ほど増えました。また入学定員充足率90%以下の大学も多数あり、学生の質の低下も議論されております。


提言案によると「入学定員数の抑制も含め教育の質の向上に資する、適正な定員規模のあり方や仕組み等を早急に検討すべき」とし、薬剤師の偏在を解消するための方策をあわせて検討することが重要とされた。
今後、薬学部の入学制限の何等かの措置が行われるであろう。


考えられることとして、薬剤師国家試験の難化であるが、2021年8月現在では、「国家試験に合格できない学生をさらに増やすことになり、薬剤師を養成する教育機関としての役割を考えると、国家試験合格者数の抑制のみでの対応は望ましい方向とは言えない」とし、慎重に検討されている。
個人的な見解であるが、薬剤師国家試験の難化による早急な薬剤師過剰の対応ではなく、今後5年、10年後の対策である薬学部入学人数の抑制が検討されているのではないでしょうか。

【関連】厚生労働省 薬学部(学科)数及び入学定員の推移 【詳細はこちら

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◆薬剤師過不足の要因

不足要因
1、医薬分業の推進
2、超高齢化社会
3,薬剤師免許の必要のない職場への就職
4,薬剤師の女性の多さ

医薬分業の推移は市場の成熟と共に鈍化していくが、高齢化社会は進む一方である。超高齢化社会に向けて在宅や施設医療を推進いくことでしょう。また、薬剤師の女性の多さもフルタイムからパートへの雇用変更などにより、労働時間が少なくなり、不足を招く要因であります。また、人が集まりにくい場所では比較的薬剤師も少なくなる傾向になるので、地方ではまだまだ不足していくだろう。

過剰要因
1、機械化
2、ファーマシーテクニシャンの導入(0402通知)
3、都心部薬剤師偏在
4、薬学部新設による学生増加

調剤器具の機械化により薬剤師の調剤業務が減るだろう。一包化機械が刻印監査まで行えようなものあり、今後機械化が進むことは予測されます。また、0402通知によって非薬剤師の業務範囲は広がり、通常の調剤事務業務に加えて、在庫管理、ピッキング業務、一包化の補助などが正式に認められました。調剤に関する人材の解消ととも薬剤師は相対的に余ることでしょう。

薬剤師の過不足問題は賛否両論あります。うちでは足りている、足りていない、経営者や人材紹介会社なのか、薬剤師なのか、他の業種なのか、地方もしくは都心か、正社員もしくは派遣なのか、いろいろな背景で議論されます。

では、実際に薬剤師の需要と供給はどうなっているのでしょうか

◆薬剤師需要と供給の推移



薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会によると、需要の機械的推移から変動要因を考慮すると、薬剤師数は40.8万人になるとのこと。

下記が需要の変動要因の抜粋です。

投薬対象者数の減少:2020年(令和2年)から2045年(令和27年)の変化は、11.3億人→10.9億人
処方箋枚数の頭打ち:2020年(令和2年)は8.6億枚であり、その後10年間は増加するが、2035年(令和12年)の9.5億枚をピークにほぼ一定を推移し、2045年(令和27年)には9.3億枚と推計。院外処方箋の発行の伸びや高齢化の進展によるものが大きいが、その後は人口減少の影響を受けていくものと考えられる。

・医薬品関係企業は、医薬品製造販売業・製造業、医薬品販売業に従事する薬剤
師は同程度推移と仮定。

薬剤師の需要は、2020年(令和2年)の32.0万人から、2045年(令和27年)には機械的な推計であれば33.2万人であるが、変動要因を考慮すると、薬剤師の需要は増加し40.8万人程度と考えられる。

すでに、薬剤師の供給の方が上回っていることは驚きですが、令和12年以降需要と供給の乖離が広がっていくことを予測されております。

【関連】薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会 【詳細はこちら

◆今後の薬剤師過剰時代、打つべき策とは

良いニュースではないですよね。私も薬剤師ですから、こんなニュース聞きたくないです。
しかも、私はコロナで影響を受けました。もう、夜も眠れないほど悩みました・・・
私のような失敗をして欲しくない、薬剤師の皆様には悩んで欲しくないと思い、ちょっと残念なニュースですが、記事にしています。

さて、厚生労働省の検討会では、過剰になるという予測があります。
しかし、薬剤師の業務が今後大きくは変化しないと仮定した場合で検討されております。


今後薬剤師が在宅医療や施設医療に携わるなど超高齢化社会に向けて新しい需要を見出して、薬剤師業の拡大をしていけば、仕事がなくなることはないでしょう。

薬剤師過剰に向けた具体的な対策はこちらです

正社員やパートを維持。

薬剤師が過剰になるのであれば、正社員やパートを維持すること、転職しないことが大切です。


調剤薬局という性質上、薬局間で主な業務は変わりません。しかし、細かいルールが薬局ごとに異なりますので、長期勤務している薬剤師のほうが薬局に必要とされている場合が多いです。
例えば、患者さんの名前を覚えて、処方内容が大まかに浮かぶ。かかりつけ薬剤師として、患者さんを担当している。在宅患者を持っている。などが該当します。

薬局に必要とされている存在は、会社としても無碍にはできません。もちろんママ薬剤師さんなどのパート薬剤師も勤務が長くなるにつれて、必要不可欠な存在になっていと思います。


管理薬剤師、エリアマネージャー、本部職などキャリアアップなども見込めるため、一つの薬局にしっかり長く務めることは、途中入社の方に比べて有利になることでしょう。

薬剤師としてのキャリアアップ-認定薬剤師を取得し、経験を積む


認定薬剤師とは、自己研鑽した成果について、所定の単位を取得したと申請した後、認定された薬剤師です。
かかりつけ薬剤師の要件である認定薬剤師も必須になってきています。また薬局で3年以上、当該薬局に12ヶ月以上勤務していなければかかりつけ薬剤師として患者さんを担当することはできません。


また、実務実習指導薬剤師も薬学生教育に携わることができますので、社会貢献の大きい認定制度だと思います。
認定や専門制度を利用して、知識を高めて経験を積むことにより、薬剤師としての差別化を行うことができることでしょう。

収入の柱を複数持つ-副業もしくは複業を始める


薬剤師業も疎かにせずに、収入の柱を複数持つこともリスクヘッジになります。薬剤師が始めやすい副業を纏めてありますのでこちらを参考にしてください。


【関連記事】薬剤師にオススメの副業12選 毎月5万円だけ収入を上げる方法【詳細はこちら

2022年8月現在の薬剤師過不足状況

都心部の正社員やパート雇用は充足傾向であるものの、臨時要員などの薬剤師はコロナの影響で激減。地方の正社員やパート雇用は部分的に回復し、都心部のような過剰傾向はみられない。コロナ感染拡大により、一時的な薬剤師不足に陥るが、コロナ感染症の対応の規制緩和等で、再び薬剤師の雇用に影響を及ぼす可能性も否めない。

薬剤師さんの「自らの力で生き抜く術」を高めて、キャリアに困らないように安心して薬剤師業に向き合えるよう心より願っております。

最後まで見て頂きありがとうございます。

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