薬局の人間関係がつらい時の対処方法-フリーランス薬剤師による職場に馴染む術

調剤薬局では、女性中心の職場で一度拗れた「人間関係」の修復はかなり大変になります。退職の理由として一番多いのは「人間関係」です。私たち個性を持つ人間ですから、全ての人と仲良くすることは難しいと思っております。ただ、仕事ですから、私を優先することなくチームで仕事に臨まなければなりません。ましてや、フリーランス薬剤師として、短期間お世話になるわけですから、人間関係を良好に保つのは至難の業です。

【関連記事】【2021年版】薬剤師でフリーランスってどういうこと?フリーランス薬剤師の働き方【 詳細はこちら

この記事では、下記の読者に情報発信できたら幸いです。
・正社員、派遣、パート、フリーランス薬剤師などの形態に関わらず、調剤薬局の人間関係に悩んでいる方
・どうしてもうまくいかない事務さんがいて悩んでいる
・女性中心の職場で居心地が悪い気がする。
・あまり人と仲良くすることが得意ではない方。

人間関係がつらい薬局の対処方法-フリーランス薬剤師の職場に馴染む術

目次
◆薬局の人間関係ってどのような感じ?

◆何故、薬剤師は人間関係で悩むのか?

◆職場のパワーハラスメントに遭遇した時の対処方法

◆人間関係が悪化したときの解決方法
◆人間関係の向上に使える心理学5選
◆メラビアンの法則
◆類似性の法則
◆返報性の法則
◆単純接触効果
◆自己開示
◆印象を良くする具体的な方法

お役立ちコンテンツとは、薬剤師による「薬剤師のため」の仕事に関する有益な情報を発信する記事になります。
アドセンスやアフィリエイト(広告利益取得)等による広告収入を得るの目的は一切なく、薬剤師の仕事の悩みを解決できるようなコンテンツを目指します。

◆薬局の人間関係ってどのような感じ?


薬局の人間関係はご存じでしょうか。

勤務したことがある人は想像できると思いますが、薬局の人間関係の背景を知って頂ければと思います。

調剤薬局の特徴
・薬剤師と事務員の構成。
・年齢は老若問わず、女性が多い。
・事務員はほぼ女性、薬剤師も6割女性なので、女性100%の職場も多々ある。
・人数も3名~10名と少数
・薬局の広さが非常に狭い。10坪ほど


薬局の広さは狭く、女性が多いので、男性には仕事しにくさも想像できると思います。そして薬局の従業員の入れ替わりは極端に少なく、狭い人間関係で長い付き合いがあります

フリーランス薬剤師や派遣薬剤師が従業員の輪に入って行きにくい状況があります。
また、一旦人間関係が拗れてしまうと修復不可能になってしまいます。

一番重要なのは、最初で仲良くなること(自分から歩み寄ること)です。

こういうときに仲良くなれる、こうしたら良いなど、人生の経験で仲良くなれれば困ることはないと思います。しかし自分自身の仲良くなり方は万能ではありません。

こちらの記事では、根拠(心理学)と実践例を含めて、皆様のお困りごとを改善できればと思います。

因みに、悪意のある職場は、こちらのノウハウは適応できません。

たとえば、定年後給料が下がって、もう仕事したくないから、若い薬剤師に仕事を多めに振る。エリアマネージャーなどの管理薬剤師の上司から圧力があり、平の薬剤師に強くあたってしまう。


私の個人的な経験ですが、会社に強い不満を持っている50歳以上の薬剤師や事務員は、この傾向が多いように思えます。ご注意ください。
パワーハラスメントセクシャルハラスメントの可能性がありますので、早急に上司に相談することをお勧めしたします。

◆何故、薬剤師は人間関係で悩むのか?

同僚との人間関係
そもそも店舗に年齢の近い同僚がいる事が少なく、研修や店舗間でヘルプに行った時などに会う程度の方が多いのではないでしょうか。全く同じ境遇にいない為、悩みをシェアしづらく、希薄な人間関係となりやすいです。また、同じ店舗の同僚がやる気が無い場合、ダイレクトに仕事が自分に降り注いでくるのも、人数の少ない薬局ならではの悩みです。注意しようにも、今後の関係悪化を危惧し、ハッキリと言えない方も多いように感じます。

上司との人間関係
薬局という密で閉塞的な環境では、時に上司の圧力が常習化することもあります。特に新人薬剤師は、右も左も分からない状態のところに、必要以上の叱責や逆に何も教えてくれないとなると、精神的に大きなダメージを受けます。チェーン展開する薬局であれば異動希望も出せるでしょうが、希望が通るかは不明ですし、個人薬局で異動がない場合は泣き寝入りしてしまう人も多いでしょう。

◆職場のパワーハラスメントに遭遇した時の対処方法

職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。厚生労働省から引用【詳細はこちら

雇用形態に関係なく、ハラスメントの被害に遭った場合は必ず、書面もしくは音声などで記録に残しましょう。また、正社員など会社に属する場合は、会社の窓口や人事担当者や外部の窓口に相談すると良いです。
「会社に居づらい」「私だけ我慢すれば」「夜も眠れなくなる」このようなことがないように、早めに相談と休養をしてください。あなたの体が一番大切ですから

◆人間関係が悪化したときの解決方法

職場が忙しく、労働環境が悪い場合

病院・薬局共通して、労働環境が悪いと人間関係も悪くなってきます。また、自分のキャパを超えた業務を依頼され、仕事が滞ってくると更に人間関係が悪化していきます。そもそも、こういった職場にはまず就職しないことをおすすめします。就職活動の際に、年代別の構成人数を確認してみてください。あまりにも中堅層が少なく、若手ばかりの職場は労働環境が悪く離職率が高いのかもしれません。また、病院や薬局の規模も忙しさの指標になります。1日の1人あたりの処方箋枚数や、病床数、急性期か慢性期か等で忙しさは変わってきます。自己分析を行い、自分に合った職場に就職することが大切です。

上司に不満がある場合

薬局内の上司に不満がある場合も、基本的には上述したように上司に直接ご自身の考えを伝えてみるのも1つの手です。また、閉鎖的な環境だからこそ、視野が狭くなっていきやすいです。同じ薬局で働くその上司が全てではありません。外の勉強会へ参加してみたり、他店舗の同僚と話してみたり、自己学習を行いぜひ知見を広げてください。その上で上司と意見交換をしていけば、その上司もあなたの事を認めていけるでしょう。そしてご自身がスキルアップしていけば、昇進・異動・転職と選択肢が増えていきます。今感じている上司への不満はご自身を成長させる1つのチャンスと捉えてみてください。

同僚にやる気がなく仕事量が増えている場合

薬局は誰か1人の作業量が減ると、周りの負担がダイレクトに増えます。やる気がなくても仕事なので、やってもらわないと回りません。やる気のない同僚の為にあなたが残業する必要はないのです。まずは、できないのか、やらないのか、できない場合は何故できないのか相談してみてください。明らかに人員が足りないのであれば、人員の補填等を検討しなければいけませんし、やる気の問題であれば上司に相談し仕事を同僚にもふってもらいましょう。投薬数や調剤した処方箋枚数等、目に見える数値で仕事量を示すのも1つの方法かと思います。

◆人間関係の向上に使える心理学5選

良好な人間関係を築けるよう使える心理学5選を紹介致します。

◆メラビアンの法則


メラビアンの法則は、1971年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学者であるアルバート・メラビアンが提唱した概念です。
「感情や気持ちを伝えるコミュニケーションをとる際、どんな情報に基づいて印象が決定されるのか」ということを検証したもので、その割合が示されました。
検証結果が下記になります。


【言葉遣い 7%、声の調子 38%、表情も含むボディランゲージ 55%】

表情を含むボディランゲージと声の調子で93%の印象を与えられるとのことです。


つまり、何を話すかより【どう話すか】が重要になります。

素っ気なく「ありがとう」と言われても、心がこもっていない、不愛想だという印象を受けます。それに比べて、忙しい中、レジを変わってくれて「ありがとう」早く投薬行けたから、患者さんに怒られずに済んだよ(笑)などユーモアをプラスすることで、感謝と笑いを与え、好かれる印象に変わることでしょう。

◆類似性の法則


自分と共通点を持つ人に親近感を覚える心理を「類似性の法則」といいます。
類似性の法則は、相手との共通点が多くなるほど強力に作用します。相手が使う言葉、声の調子、仕草などに合わせることも効果的です。
仲良くなるためには、共通点を探しましょう

近所のおいしいお店、共通の趣味、仕事あるあるの愚痴などなんでも良いです。会話を重ねることで、好印象へ近づくことができます。

◆返報性の法則

返報性の法則とは、人から何かをしてもらった時に「何かお返しをしたい」という気持ちになる心理のことです。
自分が困っている状況で好意で助けてくれた場合、もしその人が困っていたら、助けてあげたいと思うことでしょう。
つまり、「与える」と「返ってくる」というものです。
ただ、注意してきただきたいのは、相手の迷惑をかけてしまったときは、返報性の法則で「返ってきます」。忙しい時こそ、丁寧に感謝の意識をもって仕事したいものです。

◆単純接触効果


誰でも初対面の相手にはいくらか警戒心を抱くものの、接触が増えることで次第に警戒心が消え、相手に好感を持つようになるという人間の心理を表しています。ザイアンス法則とも呼ばれております。

長々、相手の好む話をするわけではなく、「おはよう」「ありがとう」「お疲れ様です」「すみません」などでも、好感度が上がるんですから驚きです。


社会人を経験していたら、意識しなくてもできていることが多いです。

◆自己開示


自分をオープンにしていけば、相手はあなたのことを知ることができるので、あなたに対する警戒心が緩和され、印象を上げます。自慢を開示するより、笑える失敗を開示すると良いでしょう。

自慢話は妬まれる原因なので、人間関係を複雑にします。

◆印象を良くする具体的な方法

1,挨拶ができる
社会人として挨拶ができなければ印象はよくなりません。どんな状況でも挨拶だけは忘れずに行いましょう。
「おはようございます」「お疲れ様です。お先に失礼します。」などは基本です。
元気よく挨拶することで、やる気があると思ってくれる方もいます。
また、何かしてもらったときはお礼をする。間違ったときは誠意をもって謝罪する。

報告、連絡、相談で、自分の仕事の進捗状況を従業員へ共有しましょう

2,笑顔を絶やさない
暗い印象だと周りから声をかけにくい印象が出てしまいますので、薬局の雰囲気に合わせて、明るく接すると良いです。
もちろん、「余裕がないとき」や「忙しいとき」に笑顔でいると「ふざけている」と誤認されることもあるので、時と場合を間違えないようにしましょう。

3、コミュニケーションを大切にする
仕事ができても、できなくても協調性がない人は従業員同士の雰囲気を壊して、薬局に居づらくなります。
特にフリーランス薬剤師では、周りに合わせることが重要になってきます。患者が比較的いない時間帯や休憩時間に相手の雰囲気を読み取ってから、交流してみましょう。
「短期だから仲良くなる必要はない」と思ってしまうのは非常に危険です。もちろん期間を区切って働いているので、相手にもそういうふうに思われることもあるかもしれませんが、そこはグッと抑えて、協力関係で仕事に臨みましょう。
薬剤師はとても狭い業界です。どこで仕事に繋がるかわからないので、仲良くなっていて損はありません。

4、下手なプライドは持たない、他薬局のルールは持ち込まない
仕事の内容などで今までやってきたことに相違があったとき、「私はこうやっていました」「こうした方が効率が良いと思います」などと、自分ルールを持ち込むことはやめたほうが良いでしょう。


フリーランス薬剤師は臨時要員という特性を持っております。入って来て1週間の人に持論を持ち出されても、職場の方は良い印象は受けないでしょう。それぞれの薬局には決まったやり方がありますので、従う方が悪い印象を受けないで済みます。

もし、頼まれたことはなんでもやりましょう。フリーランス薬剤師は誰に教えられることなく自ら仕事を見つけて、従業員の皆様の負担軽減に努めなければなりません。指示を待っているようでは、契約更新は頂けません。

5、聞き上手になる
自分の話ばかりでは、一方的でコミュニケーションになりません。

自分の話を交えつつ、周囲の人の話も聞いてお互いを理解していくことが良いコミュニケーションをとることができます。
「〇〇さんどうだった」「〇〇さんどう思う」と名指しでオープンクエスチョンすることで、相手の話を聞き出せます

相手に興味を持つことも話が盛り上がることもあります。

最後まで見て頂きありがとうございます。

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