薬剤師ってどれだけ貰っているの?薬剤師の各業界の特徴と平均年収とは【徹底比較】

医師、歯科医師と並ぶ職種として、薬剤師は大学の在学期間が6年間となっています。
これは、薬剤師が「医療のスペシャリスト」としてより専門性を求められる職業となっていることに他なりません。でも、実際に薬剤師として働いている方や、これから薬剤師になるあたって、こんな疑問や悩みやを抱えている方も沢山いるんじゃないでしょうか。

この記事では、下記の読者に情報発信できたら幸いです。

・「薬剤師の各業種の、年収と業務の特徴について詳しく知りたいけどどうすればいい?」
・「いざ薬剤師になってみたけど、自分の年収って平均より高いの?低いの?」
・「せっかく薬剤師になったんだし、今よりもっと稼ぎたい!でもどうすればいいの・・・?」

そんなお悩みを解決するために、ここからは薬剤師の各業界の特徴や地域別・業種別の平均年収、そして薬剤師としてどうやったら年収をアップすることが出来るのかを具体的な内容を交えながら詳しく解説していきます!

 目次 薬剤師の各業界の特徴と平均年収は?【徹底比較】

1.薬剤師の年収の傾向は?
2.年齢別薬剤師の平均年収は?
3.都道府県別の薬剤師の平均年収は?
4.薬局薬剤師の特徴と平均年収
5.病院薬剤師の特徴と平均年収
6.ドラッグストア薬剤師の特徴と平均年収
7.製薬企業に勤める薬剤師の特徴と平均年収
8.薬剤師として「年収UP」を目指すにはどうしたらいい?

お役立ちコンテンツとは、薬剤師による「薬剤師のため」の仕事に関する有益な情報を発信する記事になります。
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◆薬剤師の年収の傾向

まずは、薬剤師の年収の傾向についてみていきましょう!


厚生労働省による令和2年賃金構造基本統計調査では、薬剤師の平均年収は537.9万円であることがわかりました。また、過去5年間における薬剤師の平均年収の推移は以下の通りです。

2019年・・・548.3万円
2018年・・・543.5万円
2017年・・・543.8万円
2016年・・・514.9万円
2015年・・・533.4万円

【関連記事】厚生労働省 令和2年賃金構造基本統計調査【詳細はこちら

年によって若干の増減はありますが、ほとんどが年収530~540万円となっており、薬剤師は比較的高い平均年収を維持していると言えます。

厚生労働省が発表した2021年3月の職業別一般職業紹介状況による有効求人倍率も合わせてみていきましょう。有効求人倍率とは、有効求人数を有効求職者数で割って算出した値です。この倍率が1を上回っていれば求職者の数よりも人を探している企業の数が多く、逆に1を下回っていると求職者の数の方が多いことを示します。


薬剤師の有効求人倍率は2020年が3.61倍であったのに対し、2021年は2.11倍とやや低下しています。しかしながら、2021年の全職種平均の有効求人倍率である1.04倍と比較するとかなり高い水準を維持していることが分かります。

この有効求人倍率が低下した背景として、新型コロナウイルスの流行によって派遣薬剤師の需要が低下し、それに伴って薬局・ドラッグストア業界で薬剤師の供給過多となってしまったことが原因として挙げられます。

◆年齢別薬剤師の平均年収

では次に、薬剤師の男女の年齢別の平均年収はどうなっているのでしょうか?
令和2年賃金構造基本統計調査から算出しています。

年齢     男性薬剤師      女性薬剤師
25~29歳   496.3万円      464.1万円
30~34歳   581.1万円      507.7万円
35~39歳   653.6万円      542.3万円
40~44歳   652.1万円      578.7万円
45~49歳   704.2万円      601.5万円
50~54歳   719.2万円      670.4万円
50~59歳   730.0万円      619.1万円
60~64歳   607.2万円      524.1万円
65~69歳   544.6万円      600.4万円

薬剤師の年収を男女ともに年齢ごとにまとめました。
男性薬剤師・女性薬剤師に共通して、50代後半のピークに向けて年代が上がるにつれ年収も安定して伸びています。しかしながら、30〜34歳を期に男女の年収の伸びに開きが出ていますね。
これには、働き方が大きく変わる時期であることが影響していると考えられます。男性では「昇進」などのキャリアアップをする方が多い時期です。40代後半以降になると、このキャリアアップの頭打ちによって年収の伸びが緩やかになります。

一方で、女性は結婚や出産といったライフイベントを迎えることで、離職・休職・時短勤務といった働き方の変化により年収が低下する方が出てきます。その後、子育てがひと段落ついた40代後半になると仕事に集中できるようになるため、男性より伸び率が加速しているものと思われます。こうした大きなライフイベントによる働き方の変化によって、男女の平均年収に差が生じているものと思われます。
その後、定年を迎える60代に向けて男女ともに年収は下がっていきますが、65歳以上になると、女性の平均年収は上がっています。このことから、定年を過ぎても精力的に働く薬剤師が女性には多いのかもしれません。

◆都道府県別の薬剤師の平均年収

次に、都道府県別の平均年収についてです。
こちらも令和2年賃金構造基本統計調査から算出し、ランキングを作成しました。

順位 都道府県  平均年収
1位  山口県   762.9万円
2位  福島県   724.9万円
3位  宮城県   647.1万円
4位  岩手県   635.8万円
5位  高知県   632.3万円

トップ5以下は、 6位:長野県 7位:島根県 8位:鳥取県 9位:青森県 10位:滋賀県と続きました。いわゆる大都市圏では、東京都が43位、大阪府が39位、愛知県が23位となっておいます。


通常、平均年収の相場は物価も上がりがちな都市部に行けば行くほど高くなると思われがちですが、薬剤師の場合は、逆に地方に年収が高い都道府県が多くなっている傾向にあることがわかります。

これは、人材や企業が都市部に集中しているために、需要と供給のバランスによって人手不足となりがちな地方のほうがより高収入になりやすいということが分かります。

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◆各業種の特徴と平均年収


また、薬剤師は働く業種ごとにそれぞれ平均年収が大きく変わってくる場合があります。「調剤薬局」「ドラッグストア」「病院」「企業」それぞれの平均年収、特徴について比較していきます。

◆薬局薬剤師の特徴と平均年収

薬局薬剤師の平均年収は、都市部エリアで506.3万円。その他のエリアでは515.4万円となっています。
薬局薬剤師の業務は保険調剤や服薬指導、薬歴管理、医療機関との連携などが挙げられます。また、調剤薬局の勤務時間は周辺の病院の診療時間に合わせることがしばしばですが、一般的に9〜18時前後となることが多く、夜勤業務はほとんどありません。

小規模調剤薬局の場合は、少ない人数で回していることも多く、人間関係には注意が必要であることもあります。

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◆ドラッグストア薬剤師の特徴と平均年収

ドラッグストア薬剤師の平均年収は、都市部エリアで536.5万円。その他のエリアでは548.2万円となっており、最も高い平均年収の業種であるといえます。


ドラッグストアの業務は、保険調剤やOTC医薬品の販売だけでなく、日用雑貨の品出しやレジ打ちなど多岐にわたります。営業時間が長く、残業が発生しやすかったり、自社製品の販売ノルマがあったりするのも特徴となっています。

また、近年ドラッグストア業界では新規出店のため薬剤師の人材確保が重要となっており、人員増強のために各社で薬剤師の取り合い合戦になっています。こうした背景が、ドラッグストア薬剤師の平均年収を押し上げる要因となっていると考えられます。加えて、ドラッグストアの薬剤師には複数の店舗を束ねる管理職としてのキャリアを求められていることがあります。

こうしたことも平均年収が高くなっている理由の一つとして考えられます。

◆病院薬剤師の特徴と平均年収

病院薬剤師の平均年収は、都市部エリアで451.2万円。その他のエリアでは483.5万円となっており、他の業種と比較してやや低い傾向にあります。

病院薬剤師の業務は調剤や病棟業務、注射薬の調製やDI業務など幅広く、急性期病院などの場合は、夜勤や当直業務も発生します。

また、病院薬剤師の平均年収が低く算出される要因の一つに新卒薬剤師と中堅薬剤師の給与が大きく異なっていることがあげられます。他の業種と異なり、比較的額の大きい夜勤や当直業務による手当が発生していない若い薬剤師がいることで、病院薬剤師の平均年収を押し下げる要因になっていると考えられます。

◆企業に勤める薬剤師の特徴と平均年収

企業に勤める薬剤師の平均年収は、都市部エリアで502.1万円。その他のエリアでは515.8万円となっています。
企業に勤める薬剤師の業務は開発、営業、品質管理や治験、医薬品情報の収集及び提供などがあります。製薬企業の新薬開発やMR、医薬品卸の管理薬剤師、CRC、CROなどが代表的ですね。

これらの業種では、業績が給与に直結する成果主義であることが多いため、年収も高くなるものと考えられます。また、営業職に関しては全国的に異動をすることも多いため、高収入である傾向にあります。

◆薬剤師として「年収UP」を目指すにはどうしたらいいか

われわれ薬剤師が年収アップを目指すためには、大きく3つの方法が考えられます。
1つ目はやはり「昇進すること」です。

病院、薬局、ドラッグストア、製薬会社のいずれにおいても昇進によって管理職手当や基本給などが大きく増えて、年収がアップします。
ご自身の勤務先の昇給率や昇進した際の手当て額などを1度確認してみてください。日本の平均昇給率は2%前後と言われていますので、この値を目安に自分の勤務先の昇給率がどうなのかを判断する目安にすることが出来ると思います。

2つ目は、認定薬剤師や専門薬剤師などの「資格を取得すること」です。

資格取得に力を入れている職場によっては、月5万円程度の手当が支給されるところもあります。つまり、資格を取得するだけで年収が60万円程度アップする可能性があります。資格取得のためにセミナーや試験にかかる費用を補助してくれる会社や病院も多くあります。
これは、こうした認定・専門資格をもった薬剤師がいることでその薬局や病院にも大きな利益があるからですね。

例えば「専門医療期間連携薬局」として調剤薬局が認められるためには「地域薬学ケア専門薬剤師」もしくは「外来がん治療専門薬剤師」の専門資格をもった薬剤師が店舗にいなければなりません。こうしたことから、専門資格の需要が最近かなり増えてきているんですね。専門的な知識を深めたい方や年収アップを狙いたい方は、ぜひチャレンジしてみてください。

3つ目は「転職や雇用形態の見直し」などを通して年収アップを目指すことです。

一般的に薬剤師として最も高い年収が見込める職場は製薬企業やドラッグストアとなっているため、これらの職種に転職するのも一つの方法です。

また、全国に複数の店舗を構える薬局やドラッグストアには、全国転勤の有無といった様々な雇用形態が存在します。主に全国転勤を可能としている薬剤師の方が高い年収を見込むことができます。また、全国転勤可能にしていなければエリアマネージャーに昇格などキャリアアップをする上での制限が出てくる可能性もあります。

いかがでしたでしょうか?
現状の業務や自分の年収に納得がいっていない、自分に合っていないと思った方がいればこうした転職や資格取得、転居といった選択肢があるということを知っていただければうれしいです。

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